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建築家トップ > コラム > 第10回 和室、畳の部屋の効能 > 生活と社会とのつながり

第10回 和室、畳の部屋の効能
・・・生活と社会とのつながり・・・
木口盛世  一級建築士事務所 KYMプロデュース

クライアント宅での打合せ時、高校生のお嬢さんからお茶を出されました。すかさず、奥さんから、「まだ至らないところがありまして済みません。」と一言。単にお茶をだすという行為だけではなく、客をもてなす心とその動作を示されたことです。

クライアントと契約前ですが、通う生け花教室の展覧会に招待されました。展示されている花の器した小さな畳敷きでした。そこで抹茶とお菓子をいただきました。みなさん和服で来場された方々をもてなしておりました。

引渡4年後の家に行きましたら、玄関に花とメロンが置かれていました。ご主人大喜びで「今年は屋上でメロンができた。」と話されていました。私が訪れること、他の来客者にも花だけでは足りず、メロンも添えられたのでしょう。

客をもてなす心を培う場として「和室、畳の部屋」をそのシーンとしてイメージしやすい場としては、おそらく私だけでは無いでしょう。フローリング貼りの洋室ではそれができないということでは無く、あくまでも頭の中に浮かびやすいイメージというレベルの話です。

日本人は他民族から比べると「手先が器用」「集団行動性」「自然界への畏怖:主、神、祭り」が外国人向けの教科書といわれる本にまとめられるくらいに、特徴付けられています。私自身もそうですが、年中行事及び日々の暮らしに於いて、これらを感じて過ごしています。正月初詣、桜が咲けば花見、夏祭、花火、月見ですすき、それぞれ旬の食材と四季を通して我々の生活に根付いているところがあります。

別に日本人がどうだからということではありません。ちがう事で、ある有名アニメ映画で、14歳で修行の旅にでた魔女が、お客様宅の昔ながらのオーブンを使いこなすシーンがあるように、その地域ながらの特徴があります。(魔女ですから映画の舞台はヨーロッパ)

最近の家は、和室、畳の部屋が少なくなってきています。全く無い家もありますが、私自身の設計業務では畳の部屋はなかなか無くなりません。というよりは家の中心である居間でしたり、その傍に設置したりあるいは主寝室が畳敷きだったりします。無くならないというよりは大きなファクターを占めています。家の大きさ、クライアントの年代に関係ありません。全てフローリング敷 きの洋室での家もありますが、その使い方は床暖房設置している居間にコタツを設置して、そこで食事、家族のくつろぎの場、ご主人の寝室を兼ねている。洋室の寝室に布団をしいて寝ている、物入れの仕様は、洋室で有りながら押入れの仕様になっています。生活の仕方は畳の部屋そのものです。(ある一例です)

機能面の話は数量化されるのでとても分かりやすく、一般に受入やすい。合理的な生活を望む時は、和室、畳の部屋はその一つになってしまいがちです。今このテーマが取り出される事自体、人が生活する上で機能面だけではなく家に何が求められているかを策定している様に思えます。文明・産業の進化と共に何かが失われて行くのも当たり前の事ですが、良き精神面までも、それを培 いやすい場も失いたくは無いと、都市住宅に多く携っている私自身ですが、この機会によりいっそう心がけようと思います。 家づくりの場に精神面の話はむずかしく、言葉で伝えることも、むずかしいので、イメージできるそれぞれのシーンを主に記して、それが伝わる事を願っています。

 
 
一級建築士事務所 KYMプロデュース   http://www.geocities.jp/kymkiguchi/
 
 
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