東京環七沿いに建つ重層長屋形式の打放しコンクリート2世帯住宅の浴室です。浴室の説明に入る前に、敷地特性について補足説明致します。敷地が偏平(ちょうど鮭の切身の様な形)であり、且つ南北に長い(鮭の切身の狭い方が真南に位置している)敷地形状です。南側の敷地境界線長さは約2,8Mで、且つ東側隣地には、-1,7Mの段差があり、当該地側にもたれ式の古い擁壁が存在しております。
そんな厳しい敷地条件の中で、南側の建物幅は、設計前から物理的に約1.7M程度にしかならざるを得ず、しかしながら建主様であるご両親並びに若夫婦からは、当初から折角の新築だから、「広々として、光と風はふんだんな家に!」という条件を頂いておりました。
スペースを無駄にしない様、洗面所と浴室を真南に設置し、なるべく広い開口部を取り、キッチンやリビングまでのすべての壁をガラスにする事で、条件通り「広々と光と風がふんだんな住宅」にする事が可能となりました。設計当初、南側に水廻りが来る事について最初は困惑顔の建主様方が、説明が進む中、奇しくも『逆転の発想だね!』と声をそろえておっしゃって頂きました。
夜空や星空を見ながら、又青空の元、遠くの街並を見ながらの入浴が、「最高に気持ちいい」と、ご両親を始め、若夫婦や小さなお子様達も、お風呂三昧の日々との事です。
写真は、建物全体を環七通り側から見たもの、南側の偏平部から見たもの、キッチンから洗面所越しに南側の浴室を見たもの、リビングから浴室方向を見たものです。
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