子供も中学3年生と中学1年生となってくると、諸事情からそれぞれ自分の部屋が必要になってきます。そんな要望から、この羽生の家は、子供部屋の設計を依頼されました。
また、敷地に余裕があるので、別棟で建てることになりました。
しかし昨今、子供が引篭ったり 人との関わり方が下手なのは、玄関ホールや廊下から出入りする閉鎖的な孤立できる子供部屋を創ってしまい、家族とのコミュニケーションを余り取らなくなる生活スタイルが問題と良く言われています。
そこで、ただ子供部屋を創るだけでなく普段は部屋から出て来て家族との団欒が出来たり、親子がいっしょになって勉強したりする家族室(ファミリールーム)をあえて付け加えることの提案です。
一軒の新築住宅の中に組み込まれることのある考え方ですが、この家は、子供室と家族との在り方について特に焦点を当てて提案を試みた、子供部屋にファミリールームを付随させた住まいです。
子供部屋は、家族が集うファミリールームから直接出入りするプランとし、年頃の子供達の引篭りを阻止します。(母屋の居間とファミリールームは、中庭を挟んで廊下で繋がっています。)
子供にとっては、鍵で閉まる片開きのドアを付けて、“ここからは、自分のお城!”と主張したいのでしょうけれど、そうはいきません。
子供部屋は、大きな天井までの引戸で仕切られますが、普段は開けっ放し、ファミリールームは、お父さんの趣味のオーディオルームであったり、お母さんの家事をするスペースになったり、子供達は、個室から出て来て、家族と一緒の中で座卓を机にしてお勉強です。そんなところに、家族の強い絆が培われていけばいいなと思います。
ロフトは、お父さん、お母さんの書斎になったり、子供達が工作や手芸をしたり、あるいは、絵や習字の道具を広げたりする楽しい空間になるでしょう。
ちなみに、お施主さんの更なる要望は、丸太を使って頑丈な家を創ることでした。
そこで、この家は丸太を会津に探しに行き、出来るだけ丈夫になるよう沢山使いました。
大黒柱の極太丸太たちと、ガッシリと丸太の梁が組まれた骨組みが、家族の固い絆をいつまでも見守ってくれることでしょう。
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