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建築家トップ > バルセロナ便り > 第331回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る


ガウディから世界遺産の実測・研究に

コロナ騒動もそろそろ2年で終止符を打つ寸前にまでなってきている気がするが、スペインの社会は非常にナーバスでマスクの使用を促している。それだけではない。集団となるところなども特に人数制限をするなどの規制がされている。それは世界的な動きとして続いている。
社会というのは集団であることから、ことさら健康管理を重視する。自分だけが生きられれば良いという野生的な人生観を持っている人たちは、別の集団・其れなりの集団に移行することになる。
何れにしても生きている間はおとなしく好きなことができるような環境を作りたいものである。

私の場合はガウディ建築の実測、作図、そしてコードという分析に入っている。これをどこまで続けられるのかは自分の人生と生活と相談であるが、現在はそのコードの部分を継続している。今後、機会があれば世界の遺産も実測・作図してコードまで見つけることができるのかに挑戦してみたいと思っている。
最近そのコードの論文を毎日のように書き続けているのだが、特にグエル公園のテーマがさらに面白くなってきた。「ゴルゴダの丘」または3つの「磔刑の丘」。何れにしてもキリストが十字架に架けられるシーンの場を演出しているのだ。これはガウディの民間建築計画最後の作品となる。それ以降はサグラダ・ファミリア教会での終活として詳細を決める活動をしていたのである。
私とガウディは100歳年が離れているので、自分の生活の中でシミュレーションができる。私の今の年齢でガウディはすでにサグラダ・ファミリア教会だけに専念した人生を送っていたのだ。

私は彼の残した作品のコードの分析をしている。
ここでも私の置かれている立場は自由の身であるが家族もいることから、その配慮をしなくてはならい。まだ自分に鞭打って仕事になるような活動を続けている。最近は、世界遺産を対象にして実測・作図を実施してみたいと思っている。すでに一部の世界遺産は実測してみた。マチュピチュから始まって、クスコ、テオティアワカン、オジャイタイタンボ、特にマヤやインカ文明時代の建物に興味を持っている。既に一部を実測し、その結果報告までフジモリ政権時代にリマの大学に提出した。さらに研究継続の計画案を提案したが、フジモリ政権は倒れてペンディングになったままである。メキシコにはトルーカに友人の建築家が教鞭をとっていることから、先日その相談をした。彼もそれには参加したいということであった。あとはプログラムと予算である。どこまでできるかわからないが命のある限りその夢を捨てることはない。

基本的にはこれからの実測計画は研究分野となるので、さらに総合的に進めることができる。最新鋭のテクノロジーを利用してもできることは理解している。それには若い研究生や先生達との共同作業による研究体制を組まなくてはならない。始めにワークショップを実施しながらの計画となると見ている。

それが実施となると今までにはない面白い世界が開かれることになる。
     
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