「このキッチンが使いたい」
その一言から、この設計は始まりました。
見せられたのは、曲線で構成されたオレンジのキッチン。
かなりインパクトのあるキッチンでした。
そしてもう一つのご要望。
「既存の庭を残したい」
挙げられたご要望はこの二つ。のみ。
その他はほぼ私達の手に委ねられた格好でした。
考えたのは、そのキッチンが映える空間。そしてどの場所からも
庭が見える空間構成でした。
キッチンのオレンジが映える色として白の内装を選択。
その白から反転するかのように黒い外装でまとう。
玄関を開けた瞬間からお風呂に入っている時まで
四六時中、庭が見える空間構成。
こうしてできたのが、この住宅です。
一つの色にも理由があります。
全ての理由を語りつくせるのが、私達建築家が手掛ける
注文住宅なのだと思います。
そして、その理由の発端は、お施主様なのだと思います。
お施主様から投げ掛けられたご要望/素材を受け止めて
設計する空間に投げかえしていく。そんな連続。
家創りとはそのようなことなのかもしれません。 |