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鐘楼 |
理解が進むにつれ、鐘楼内部に連絡するよう設けられた6カ所の開口部が気になり出した。
その中を覗いてみると、それぞれ容積の異なる八角シリンダー状の部屋があり、中央の天井と床には1.5mの円形の穴が開いている。
この部屋は、縦長スリット状開口部から光りが漏れてくる程度の明るさ。天井部分を見上げると、中央部の開口部以外は薄暗くて良くは見えない。
その最上階では、ワイン・ボトルの頸のような形のボールトで仕上げられ、その頸にも縦のスリットが身廊側に向いて開けられている。ところが隣にあるユダの鐘楼ではそのスリットが道路側に向いている。またボールトの上部には階段状に仕上げられてその部分もそのスリットの開口部と方向を同じにしている
そのスリットが各鐘楼で向きが違っているのはなぜだろうか?これが鐘楼における最初の疑問であった。
これらの鐘楼には、いずれ鐘が設置される予定になっている。だがまだその設置計画の予定はどこからも聞こえてこない。しかしそのことは、写真と、誕生の門ベルナベ鐘楼最上階に、実験用として作られたと思われる一本の筒状の鐘が置かれていることからわかる。
既に黒ずんだ緑色の腐食が進んだ鐘は、長い間、寂しそうに壁に寄りかかるように放置されている。
ところがガウディ当時の模型写真と比較するとそれが果たしてガウディの求めていた鐘なのかは疑わしい。
いずれにしろバルセロナの街に鳴り響く程の大きな音がでる筒状の鐘になるはずである。
ここでガウディの鐘に関連する文献を調べてみることにした。
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