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  建築家トップ > バルセロナ便り > 第107回
実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

グエルは「たったこれだけか」と言った。

ガウディはセサール・マルティネールとの会話の中で「私は鋳掛け職人の子孫であり、空間を見る特性を持っている。
私の父は鋳掛け職人で私の祖父、曾祖父、母方も同じ鋳掛け職人で叔父は樽職人(鋳掛け職人と同じ)、母方の叔父は漁師として同じように空間や現場の人であった。
このような空間の人の家系は、板金からボリュームを作る際、仕事を始める前に既に空間を知る。
」という職人の世界を説明している。

さらにものを作る上で忘れてならないのは、材料である。
ガウディの利用する素材は、既に述べた様にリサイクルが多い。
それは素材への関心からくるものであり、建築物を作る上で視覚、技術、機能と合わせて経済性を伴う重要なポイントともなる。その選択を間違えるとどんな事になるかはだれでも想像がつく。時には大変な事故を招く恐れさえある事は、建築をされている人なら理解しているはずである。
その意味でも建築要素としては不可欠な部分である。
その経済的な要素は、ガウディにとっては構造とともに重要なテーマであった。
ちなみに、経済的に建築の中で最も経費がかかるのが「人件費」であり、これを建築の世界では「人工」と云われるものである。

ガウディは素材への関心は人一倍優れていたのではないだろうか。
そして人経費を節約するという事も十分理解していた。
それらの理由から、建築を合理的に計画するということから構造も含めて伝統工法の利用、と素材の選択を検討したのである。
つまり構造の合理化ということは勿論手間を省く事も含めるが、それ以上に理想的な耐久性と施工の難易度を下げて人件費を節約することも含める。
その為にもコロニア・グエル地下聖堂での逆さ吊り構造実験に10年も費やしのだ。結果として放物曲線回転体の形を建築に利用する事で、構造性の合理性と伝統工法に含まれる煉瓦の使用によって、ガウディ建築の究極を極めることになる。
他に従来のゴシック建築では考えられなかった工法としてコロニア・グエル地下聖堂では、プレファブ工法(別名:型抜き工法)ともいえる技術をいち早く建築に取り入れた。この点からすれば当時は革新的な技術を考案していたといえる。
そのために職人や請負業者達は、ガウディから毎日の様に現場で難問を突きつけられ、それを研究熱心に解決しながら自分たちの技術も成長させる事ができた。
それは私の私見ではない。ガウディの計画したモンセラのキリストの第一言義、カサ・バトリョ、カサ・ミラ等の施工を請け負っていたホセ・バイヨ・フォンの話からである。
例えばグエル邸での贅沢な建築計画では、当時でも高級であった大理石の素材や象牙、べっ甲、ジャノメ石、黒檀が利用されている。さらに100種類以上の柱や柱頭、各部屋の仕上げも異なる。グエルの会計士であり詩人のラモン・ピコ・カンパマールは、ガウディの追加予算の請求書を出されてその非常な浪費に苦情をこぼし、さっそくその歯止めの為と思い、グエルにその精算書をみせた。ところがグエルは驚きもせず「たったこれだけか」と云われたのだ。
この話はあまりにも有名なエピソードとして残っている。

   
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