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  建築家トップ > バルセロナ便り > 第108回
実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

エル・カプリチョについて

1983年9月4日、バセゴダ教授からエル・カプリチョの立面図の製作依頼があった。
当時はカサ・カルベの実測を始めたばかりで、門番との交渉に作業が難航していた頃であった。
とりあえずバイトということで、このエル・カプリチョの北側立面図の作図作業に取りかかるのだが、この作品はバルセロナにあるわけではない。
北スペインにあるカンタブリア州のサンタンデール市近郊の街、コミージャスという貴族達の避暑地になっている所である。
その街を築いたとも言われるコミージャス侯爵1世アントニオ・ロペス・ロペスは、ソブレジャーノの敷地に自分の館を建設し、合わせて礼拝堂も築く。
そこにこのエル・カプリチョが隣接して建っている。
このバイトの作図作業には予算に限りがある為、現場に出向いて実測と云うわけにはいかなかった。それに替わってやむなく写真による実測となった。目安となるのは煉瓦とタイルそれだけの寸法で、他のディティールも推測すると云う虫眼鏡の作業である。
「虫眼鏡実測」と云う珍名でもつけよう。

他に20世紀に入ってから描かれたという精度に欠ける平面図が研究室にあったので、それをベースに虫眼鏡実測と比較しながらの詳細の検討を始めた。
気になるのは煉瓦のサイズである。これは地方によってサイズが違う。
その寸法を設定するにはより正確な寸法を示す素材が必要であった。
そこで気がついたのは150mm×150mm角の正方形にヒマワリ・モチーフを施したタイルである。それは花と葉の二種類がレリ?フとして描かれ、外壁に利用されている。そのタイルを基準に煉瓦の割り付けを見る事で、煉瓦のサイズもそれで想定できる。
このヒマワリ・タイルは、カサ・ビセンスと同じタイルを利用している。つまりタイル業を営んでいたマヌエル・ビセンスによる。

作図コンセプトはできるだけガウディ当時のものとするために古写真と比較。タイルの利用や鉄細工等はカサ・ビセンスに酷似していることを確認する。屋根については寄せ峰にミッション瓦が葺かれており、その鬼板部分にはガウディの作品では珍しい立方体にタイル仕上げをしている。

カテドラ・ガウディよりこの仕事の依頼があったとき、秋だというのにまだ毎日の暑さが続いていた。丁度”サグラダ・ファミリア教会”の基礎調査も終わり、データを整理している最中でもあった。
翌日、仕事の内容を尋ねるためカテドラ・ガウディへ出かける。ガウディ研究室の説明によると、一般立面図を描くことであった。
研究室には2種類の平面図しかなく、少しずつ形が違う事に気がついた。さっそく当時に近い写真を探し出してそれと比較検討をする事になる。平面図で注目すべき部分は開口部まわりで、なぜかそこの部分は空洞になっている。

ガウディ研究室のバセゴダ博士によると、それはギロチン窓になっており、その窓を開閉するとき、窓枠内部の空洞に納められている鐘が鳴るというのである。これは後に再確認するが確かに音がする。これはまさに泥棒避けの装置としても考えられる。

   
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