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実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

エル・カプリチョとカンタブリア神学校を結びつけるもの

ガウディの先生ホワン・マルトレールの計画によって、1889年にカンタブリア神学校 (コミージャス大学又はカンタブリア大学ともいわれている)ができる。
この大学はコミージャス町の西方カルドッサ丘にあり、北側にはカンタブリア海が広がっている。
中でも、ドメネック・モンタネールによる中央入口のブロンズ扉は見事である。私はその扉の実測をして、さらに写真に納めて修復計画の表紙に利用した。

玄関ホールから奥突き当たりには、階段ホールとして階段と吹き抜けがある。
天井のドメネックらしい植物をモチーフにした装飾は、長い時間埃をかぶって、一見お化け屋敷のような感じもした。
タラゴナ市から車で凡そ10分ぐらい内陸に入った所に、バイシカンプ地方がある。その首都になっているレウス市の「カサ・ナーバス」も彼の作品であるがその装飾ニュアンスが類似している。
確かに視覚的インパクトは強い。

肌寒い印象を受けながら、管理人に内部を案内してもらい奥に進んだ。
講堂、教室、実験室、そして屋根裏と見ていった。
中でも印象に強く残っているのは屋根裏部屋であった。木造小屋組の寄せ棟で、屋根勾配は45度と急勾配である。これは地方性の演出で、スペインの中でも雨の多い地区であり、雪も降る。カンタブリア地方の水は、エブロ川に流れ込む水源地にもなっている。そんな気候風土から屋根勾配が決められているのだろう。

この屋根勾配や小屋組の詳細を確認してから、エル・カプリチョの内部も見せてもらった。屋根勾配はエル・カプリチョのそれと同じ仕組みの詳細になっていた。つまり工事管理者は同人物であり、工事人もまた同じであると云う事の裏付けになるだろう。

この大学の中央入口部分はトリビューンとして突出しているが、その付け根部分に大きな亀裂を見つけた。これを修理するには地盤調査から始めなければという事が脳裏をかすめたときに寒気がし、大変な工事になることを予想した。それとは別に地盤がもし安定しているのであれば、むしろベースに義足をはかせて元の姿に戻さなくてはならいという作業となるだろう。
さらに防水加工も必要となるはずである。
あわせて修復後のメンテと機能を考えると、天窓を設置して全天候型のパティオを検討する事も提案した。

この大学の調査のあと、この機会を利用してエル・カプリチョも本格的に実測と作図作業をする。

ここで興味を持ったのは内部の小さなステンド・グラスである。
よりによって童話上の動物達といった、不思議な絵が表現されているのである。
あれほど学生時代から作品をシンプルにしながら、むしろ装飾をさけるような考えをもっていたガウディの思想に、あたかも相反するようなものがあるのである。
しばらくその意味もわからずガウディ研究室の文献をあさっていたときに、非常に興味あるテキストをみつけた。なんとそこには、ステンド・グラスの装飾に関するいわれが説明されていた。
それによると、それがオーナーのアイデンティティーであるということが裏付けられていた。

   
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