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実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

動物達は装飾としてそこにあるのか?

ガウディは日誌の中で
「公共物は、家族や個人の日常的な物とは対称的で厳格な性格を持たなければならない。公共物はその目的に応じていなければならない。重要な事は、簡潔であること、形を立派にするには、分かりやすいということではなく、幾何学的な考えでなくてはならない」
としている。

コミージャスを後に、私はバルセロナに戻って本腰を入れて作図を始める。

さっそくガウディ研究室で保管されている登記簿用の配置図を見つけたので、そのトレースからはじめた。この作業は1994年2月に完成させ、続けて平面図に取りかかった。
実測作業中に面白いディテールを見つけた。
一つは、半地下階窓の組石の窓枠上部にある不思議な薄彫り模様である。
明らかにコンパスで描かれた花模様である。
何を演出しているかは、どこにも記されていないので確かな事は言えない。しかし、タイルで外壁仕上げに利用されている植物がある。ガウディは「植物の生長と幾何学の関係」も日誌の中でもほのめかしている。
それに関連したモチーフを幾何学的に表現したとすればどうだろうか。このタイルの浮き彫り模様は、カサ・ビセンスで利用されたものと同じものである。それがひまわりの抽象化された絵のように見えても不思議ではないはずだ。

ガウディの建築に演出されているオブジェは、グエル工業団地教会地下聖堂で抽象化されたものが代表的であるが、すでにエル・カプリチョでのその序章と言える演出を試みているのだろう。サグラダ・ファミリア教会のロサリオの間(回廊の小礼拝堂)でも花模様が幾何学で象徴化されている。
ガウディによるコンパス利用の冴えとなる一面といえる。
他に北西の角に面した中央入り口にある柱も、シュロに囲まれた鳥の姿が見えている柱頭がある。今にも鳥が来客を「いらっしゃい」といいながら受けいれる姿をガウディはイメージしていることになるが、動物を利用した入り口の演出はこのエル・カプリチョだけではない。同じ時期に計画されたフィンカ・グエルでも、門扉「鍛鉄のエリマキトカゲのようなドラゴン」が鎖につなげられている。

グエル邸でも「やせ細った鷲のような鳥」がアーチの三角小間に収まっており、またアーチの脇には蛇が絡まっている。グエル公園の入り口でも「カラフルなトカゲ」のような動物と「耳のついた蛇」もある。

ベジェスグアルドでは建物中央入り口の脇に魚を破砕タイルで描いたベンチが設置され、カサ・バトリョでは建物全体がドラゴンを抽象化したのではないかと思うようなストーリーが読みとれるほどである。

ガウディにとって動物達はどんな役目になっているのだろうか。
建築機能に神話や童話、または聖書なども演出させるという手法が利用されていることが読み取れる。
サグラダ・ファミリア教会の誕生の門でも門の両脇にウミガメとリクガメによってシュロの木を支えている演出になっているが、それさえも装飾概念としてとらえるにとどまらず、入り口のアーチの水切り、つまり吐水口、または雨樋として機能させている。しかし誰がそのような建築機能であると気がつくであろうか。

   
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