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実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

コーナー暖炉は単なる装飾か?

この世に垂直な柱(多くの場合その様に試みるが)は一本もない。自然なものは傾きを求めるが、どのくらいの傾きが相応しいのか研究するのがよい。」とガウディはベルゴスとの会話で述べている。

この世に垂直な柱はない」というが何を根拠にしていたのだろうか。
ガウディの「偉大な本」の説明の中で、「柱の元祖は木」であるとしている。
つまり木が螺旋状に成長するということからサグラダ・ファミリア教会の柱も芯を求めるかのように捻れ、成長するに従って木の平断面は円に近くなり、さらに枝分かれするようにして身廊天井のボールトを支える。さらに建設予定のキリスト、福音者、マリアの塔等を支えることになる。
よってこれらの柱はカテナリー曲線状に傾き捻れて上部を支える木の幹の様になる。つまり、ガウディはこの柱の姿を予想して「自然界での木(=柱)が垂直には立っていない」という表現は正しいということになる。 
厳密には「地球の表面に対して鉛直に立っている」というより、全てのものが重力方向にそれを支えるように立てているはずだ。同時に地球規模で見ると、垂直に立てられているはずの柱は互いに平行にも立っていないということにもなる。
これも人間が造りはじめた機械的な処理による建築の中でのことである。
これが「垂直な柱がない」という言葉の裏付けになるのだろうか。 

過去の文献によると、エル・カプリチョのポーチの柱も垂直に建てられず内側に傾けられているというが、実際には、鉛直に建てられているように見えるのは私だけだろうか。

エル・カプリチョ修復計画において、北側の壁が雨水と強風などで傷み、隙間から雨水が浸透しやすい状態になっていた。その修理も含めてこの建物の所有者から2009年の春に建物全体の清掃も兼ねた修復工事の依頼を請けた。
そこで既存の室内仕上げと以前の姿を比較する為に古文書の写真を調べ、オリジナルの姿に戻すような改修計画としたが、実際には所有者の予算からその計画にも限度があり修復は清掃と塗装を主体とした計画となった。
現状調査で、古くなった窓周りの建具やレンガの割れ目からの雨水の浸透や通気の悪さもあって窓周りの室内側にカビが生じていた。外部のオリジナル・タイルの破損も随所に見られた。とくに腰壁や廻縁近くの帯装飾までも替えられていたことに驚かされた。さっそくその部分の裏付けをとる検証もはじめた。
詳細の時系列からの移り変わりと併せて、他のガウディの建築作品と類似した修正にした。

カビの問題を現状の中で解決するには機械的な工夫が必要であった。
その実験として、部屋全体の乾燥と湿気を抜く為の暖房をすることで改善できると考えたが、その肝心の暖房設備が十分ではなかった。
エル・カプリチョに添え付けられたコーナ暖炉は、今まで長い期間利用されることがなかったのか雑草が生えていた。ということは暖炉はむしろ飾りとして利用されていたことになる。この利用できないと思っていた暖炉は何年もの間、寝かされていたことで整備と修理が必要とした。

少なくともガウディは、「無駄な装飾をしない建築家」であると確信していたことから、なぜガウディは暖炉を隅に設置したのだろうかと考えた。

   
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