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実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

見つからない写真、温室の資料

エル・カプリチョの謎は南面にある温室の部分で、現在では1984年に建築家ルイス・カスティージョによって増築改築された白くなっている温室の部分である。この増改築の為に世界遺産のカテゴリーから外された、とカンタブリア政府の文化部の担当者がコメントしていた。
この問題の温室はどうあるべきか。これからのテーマになる。

とりあえず住宅における温室に関してガウディは、ベルゴスとの会話の中で民家のあり方について「部屋は方位によって異なる。寝室、事務所そして茶の間には広い窓、冬の食堂と日没側(西)の客間と北の書斎、夏の食堂とその他が寄せ集められる。
予備室と台所は、これらの方位から外される。寝室と書斎は、アカシヤと月桂樹によって影をなし、ポ−チは周囲の燕の巣になるテラコッタによって装飾される。斜めに鉄とクリスタルによる温室が見え、それは冬の庭で応接室につながり、家族の祝宴の為のサロンとして利用される。
内部の殆どがシステム化され簡素になる;動線による趣向性の良さ、必要性と絶対的な心地好さが満たされる。
」としているがこの中で温室の話が出てくる。
しかも他の部屋との関わりや方位を定めていることに気がつく。
冬の庭とは、冬に利用される温室が温かな場所である南に面し、中の植物にも向きがあり、通常は南向きに植栽をされることは普通となる。
ここで応接室と連絡して祝宴のサロンとしても利用される、という考えを実際に演出しているのがエル・カプリチョである。

このガウディの住宅建築の概念は、エル・カプリチョについて特定していることではなく、一般住宅を示唆しているはずである。ガウディの住宅概念というのはエル・カプリチョでもこのあたりから既に考えられていたということにはなる。
建築家は単にオーナーの注文に応じるだけではなく更に生活空間の快適な条件を模索して計画しなくてはならない。

ところで、エル・カプリチョでのメイン・テーマは、この問題の多い温室。以前の所有者は寝室として利用していた場所にあたり、仕上げも建物全体に沿った差し障りのない煉瓦とタイル仕上であった。しかもウラリータという人工スレート仕上げの屋根にした1915年の時の写真は存在するが、少なくともその頃には既に温室的なイメージはどこにもなく、独立した矩形の平面を持つ片流れの建屋であった。
この場の平面を見るだけでも、以前はやはりトラック型の平面にしたがった温室であったことぐらいは想定できる。
しかし立面においてどんな形であったかはさらに調査が必要であるが、その為の資料は皆無に等しい。
私はできるだけ当時の写真があればと思って探しているのだが、まだどこにも見つからない。
ガウディ研究室には写真のデータもあるのでそれをのぞいてみたがここにもない。
サンタンデールの在住の関係者に尋ねると、1941年2月15日から16日にかけての風速150kmの南東の風でサンタンデール大火災となり14ヘクタールの旧市街地は殆ど焼け、2000戸以上の住宅、90%の商店も被害にあったという。その災害で当時までの資料も消失しているのでエル・カプリチョに関する資料も見つからないという。
しかし当時の被害状況を説明する写真が残っているので、どこかにあるような気がする。
可能性があるとすればカスカンテの子孫達がその資料を保管しているようにもおもえるが、写真の資料がガウディ研究室にもないところを見るとやはり存在しないのかもしれない。当時のスケッチや作図もあればと思うのだが。
他にコミージャス侯爵の子孫達がエル・カプリチョの写真を保管しているかもしれないが、それもまだ未調査のままになっている。

今まで唯一見つかったコミージャス関係の写真といえば、1881年にコミージャスを訪れたアルフォンソ12世の為に、コミージャス侯爵がガウディに依頼したインド風の見晴し台だけである。

   
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