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実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

農業国から観光立国へ、ガウディの貢献

ガウディは創作について
ものを作るには法則に従うことで体験が創作の裏付けとなる。
創作者は新たなものをつくることで作品となる。
そのためには自然の法則を探し、他の創作者にも協力をする。
だからオリジナルはオリジナルに戻る。

というのである。
明らかに自然観察を重視した言葉である。

バルセロナは、ヨーロッパの中でもオリーブとオレンジの産地であることは良く知られている。特にバレンシアのオレンジとハエンのオリーブ油は世界を代表する産地となっている。
一方、バルセロナはローマ時代からの都市として成長し、2004年には国際文化フォーラムを開催するほどの文化都市として発展してきた。
私はガウディ建築の勉強のために今までバルセロナで過ごしてきたが、この街は非常にイベント好きな人々が多いと思っている。世界的に名をはせているバルセロナのサッカーチーム バルサもバルセロナを本拠地としている。
国際見本市も毎年のように開催される。

特に国際建設見本市は2年に一度開催されるが、このイベントがある度にバルセロナのホテルは全てブッキングオーバーとなるくらいである。最近ではバルセロナ見本市会場に、日本人建築家の伊藤豊男氏によるツインタワーと見本市会場が建設され、話題を呼んでいる。
見本市と言えば、バルセロナでは1888年から国際万博が開催されいる。
1929年にも2回目の国際万博をモンジュイックの丘で開催する。その後は定期的に国際見本市が開催され、世界的に知られるようなイベント会場となっている。モンジュイックの丘の頂上付近には1929年にできた陸上競技場があるが、1992年のバルセロナ・オリンピックではそれを増改築してメインスタジアムとし、周囲に各競技施設を設置して聖火台に弓矢で火を放つイベントを行っている。

農業国が観光を産業として発展するために、これらのイベントを促進し世界にアピールし続けてきているのだ。
バルセロナに限らず、パンプロ?ナの牛追い祭り、バレンシアのファジャという火祭り、セビージャのロシオといった聖母の巡礼といったお祭りなどは毎年行われてきている。
そしてお祭りには欠かす事のできない踊り、フラメンコ、セビージャのセビージャーナ、カタルニア地方のサラダーナ、アラゴンのホタといった踊り、他の出し物として夏の時期になるとはじまる恒例の闘牛もある。
しかし闘牛は最近スペインの中でも反対運動が起きている。大衆の前で牛が闘牛士の剣に刺されるシーンを見るというのはあまりに残酷すぎる、と言う見解からである。
このようにイベントが好まれるバルセロナで、ガウディ建築もその一役を担っている。この街に訪れる人達はガウディの作品を見学せずに帰国する人はいないといわれるほどである。ガウディ建築を訪れる人たちは毎日10,000人を下らないといわれている。
中でもグエル公園、サグラダ・ファミリア教会、カサ・ミラ、カサ・バトリョは必見の場所となっている。

今でこそ歴史の遺産として評価されているガウディの作品ではあるが、作品が作られた当時の評価はむしろネガティブであった事は、風刺や他の歴史家、評論家達の見解から知られている。
     
田中裕也氏プロフィール
 
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