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実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

サン・マルコ寺院の考察

12月4日から12月8日まで、イタリアのベネチアを33年ぶりに旅した。
相変わらず駅前はゴンドラの停泊場となっていて、他にタクシー・ボート、バス・ボートなどが停泊している。
夜の10時にベニスの駅に到着したが、既に殆どのお店は閉まっていた。予約していたホテルに行くために、近くのサン・マルコ広場に向かうバス・ボートに乗り込む。片道6.5ユーロなり。
30分ほどボートに揺られて久しぶりのサン・マルコ寺院前に到着した。
地元では「バシリカ」という愛称になっている。
実際には829年に建造され福音者のサン・マルコの亡骸をまつるために造られたが、975年に火災となる。11世紀にコンスタティノープルの建築家達によって再建されたという。 
私が見たサン・マルコ寺院は、いつもの床の浸水はしていなかったがそのための仮設通路が準備されていた。
海の干満の差で毎日のように街自体が浸水する為に、この仮設の通路が必要のようだ。
どうしても教会内部を見学したかったので翌日の朝、再び教会の見学にでかけた。すると広場も教会も浸水していて仮設通路で教会内部に入った。
大理石の床、柱、壁はどれも見事な細工がしてあった。
柱頭レリーフはまさにロマネスク様式で仕上げられていた。
床のモザイクは見事な幾何学模様、私は夢中になって写真に納めてみた。

地元の建築家マウロ・コドゥシ(Mauro Codussi)によって1496年から1499年にかけて建設された時計塔である。
この時計にはローマ数字で24まで文字盤に描かれ、中に12の星座が描かれ時期に合わせて回転する仕掛けになっている。
この12月はちょうど蟹座と双子座が真上にきている。
実はこの細工、サグラダ・ファミリア教会の誕生の門でも見られる。大天使ガブリエルがマリアに受胎告知をしているシーンがあり、その真上にこの星座がきている。ちょうど12月なのでおなじ配置となっている。
つまり、キリスト生誕の時期を示す星座であることをここでも裏付けている。
そんなちょっとした偶然と驚きを噛み締めながら、さらに寺院をはじめとしてベニスの街を散歩する。

そこで自分の中で建築の見方が変わっていることに気がついた。
特に詳細の見方は面白く変わっている。
外壁の柱や塔の傾きが気になったりもした。
地盤沈下を起こしているだろう、と非常に気になり文化遺産の監理をしている組織に連絡した方が良いのではと思ったくらいである。
ベネチアの街は、毎度の浸水で今まで耐えている方が不思議なのかもしれない。
建物によっては煉瓦造の壁になっているところもある。そこも見事に浸水しているが何もないかのようにして何百年も耐えてきているのだ。
 
この中でガウディに共通する点が幾つか見つけることができたのは大収穫であった。バシリカの教会のドーム尖塔には尖塔飾りがついている。これも実は立体十字架状に鋳物が加工され、玉がついている。立体十字架はガウディの十八番かと思っていたが、オリジナルは歴史にあるということを理解させられる。

またロマネスク−ビザンチン様式の詳細がガウディ建築の詳細にも現れていることは随所に示してきたが、よりによって教会の扉の鱗状格子扉はまるでフィンカ・グエルの外壁模様にそっくりなのである。
ここでも模様と言うのは歴代の建築家達によって利用されてきている証にもなる。

     
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