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実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

コロニア・グエル地下聖堂が完成していたなら

ガウディは繰り返しについて
過信は身を滅ぼす。だからあの機械的に繰り返すものは間違えることがない。全ての敗北は、過信の結果である
として慣れたものを続けることを主張しているが、伝統的な手工芸の職人の姿勢に思える。
コロニア・グエル地下聖堂で利用されている素材は、形くずれした煉瓦や金属のスラグのような、塊なのか火山岩の様にも見える物の組み合わせで構造壁が作られている。このテクスチャーは勿論ゴシック建築では見られない素材の扱い方であり、構造は革新的でもある。
廃材利用の意味に「質素」で「慎ましく」という徳性を演出しているとすれば、この建物こそが「理想のゴシック建築」のあり方を示しているような気もする。同じ廃材利用でも質感も含めて周囲の松の木林にミメティック(模倣的)に併せた表現と言うのは作家の繊細さが表現されていると言える。

ここで「理想」の意味をもう少し見つめてみると建築において何が理想的な建築となりえるのだろうか。
素材、空間、様式、規模、機能。技術、歴史、地域性そして経済も兼ね備えた建築が、ガウディの求めようとする建築であるというのは、彼の日誌からも伺われる。それらのすべてが網羅されているのがコロニア・グエル教会計画ではないだろうかと思える。
この地域の統一性を煉瓦に委ねて建築に反映させる。しかも集落の中心となる教会は、松の木林のある丘の中腹に位置させた。地域性も踏まえて住民達が少しでも健全な環境で過ごせるような配慮が、この教会に処理されていることが伺える。
その意味で、コロニア・グエル地下聖堂を完成させていたなら、サグラダ・ファミリア教会の形は当然現在見るような形にはなっていなかっただろうと想定できる。
ガウディの創作過程をみると同じ形は繰り返す事はない。ましてや1900年以降は特にその傾向は強い。そこでコロニア・グエル教会をしのぐような形の教会がどのように計画されるのだろうかと知りたくなった。
サグラダ・ファミリア教会のコンセプトにそって新たな教会のあり方を考えたとき、ガウディの代表的な放物曲線から何が生まれるのか、又はどのようにその自然形態を超越できるような形がありえるのだろうかと思う。
どうあってもキュビックな形の建築ではない。
現代に不可欠な要素の採用とさらに放物曲線からの進化の探求は何か。どこにその謎を解く鍵があるのだろうか。この世で最も理想的な形が自然であるとして、ガウディによる「自然が参考書」という発言から何をどのように観察すればよいのか。
放物曲線と螺旋はすでにガウディが建築の中で見せている。
さらにそれ以上の理想的な幾何学的フォルムはありえるのだろうか。
例えば球体はどうだろうか。
液体が大気中で落下すると最終的には球体になる。球体の建築への採用は、バックミンスター・フラーがダイナミックなガラスと鉄の構成による構造体を示している。
それ以外の形としては形の乱用とも思えるようなフランクゲリーの建築形態も見られる。しかしこれはまだ理想的な建築の模索でしかないと思えるほど無駄な部分が随所に見えている。
とすればこれも予算の力に任せた気まぐれな建築としか思えない。

これからの建築は予算も含めてシンプルでありながら地域性を彷彿させるような演出であったり素材の利用であったりすることが理想的な建築につながるのだろうか。
     
田中裕也氏プロフィール
 
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