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建築家トップ > バルセロナ便り > 第187回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

サグラダ・ファミリア教会には爆弾が

今年も残りわずかになってきた。この時期にバルセロナの街を散歩すると路地の飾り付けが美しくファンタスティックである。
カソリックの国では唯一、ホームシックになりやすい時期でもある。
そこでガウディは家族愛について
人生は愛、愛は献身である。家が華やいでいる時は、給仕や子守りといった人達が献身している。両方が献身しているときは人生全体が輝いている。夫婦においても子供がいてもいなくても、お金があっても無くても互いに献身的精神があれば平和と悦びがある。
もしそれが2人以上であれば家は無数の輝きとなり、そこに近づくものを眩しくさせる。宗派による進歩的素材や道徳は、全ての信者が全体の為に奉仕する

とベルゴスとの会話で語っている。

彼の献身性は相手を問わない。
誰と接しても誠意をもって対応していた人柄が、この言葉にも反映されている。恐らく、彼自らも仕事場でそのような姿勢でいたのだろうと思う事がある。
だから彼を慕う職人や建築家達が多かったのだろうと思うのは間違いだろうか。
ただ、傲慢な態度の人に対しては大変な反応を示していたとも言われている。
そんなガウディは、政治家に対しては
「政治を治める人は常に独りである。民主主義は命令に対して賛否の影響を与える事ができるだけで、何も命令はしていない」
と見ている。
しかも政治・社会の動向にも介入せず、客観的な立場から見るだけであり、ひたすら建築・芸術家としての創作意欲に燃えていた。政治による社会動乱の中で、ガウディはひたすら創作活動に専念していた、という方が適正な見方かもしれない。
ところが、彼の得意な建築言語や芸術言語を通して社会批判や警告を発している。芸術家としての立場から、社会に対するメッセージを示している。
そこで彼の建築言語からメッセージを読み取る。例えばサグラダ・ファミリア教会の誕生の門の脇、現在鐘楼へ上がる為のエレベータの入口になっている部屋のその隣にロザリオの間がある。そこにはゴシック・アーチを支えている肘木の鼻隠しのようなモンスターのオブジェが見られる。一つは爬虫類の体で頭は人間、しかもその化物は人間に爆弾を持たせようとしているが人間の方は爆弾に手をかけているが顔はロザリオの方に向いている。もう一つも魚の体をした人間の顔をもつ化物は、袋を人間に持たせようとしているが人間のほうは素知らぬ顔で両手を併せてロザリオに向いている。その袋は札束というより金貨を入れているような袋の表現だろう。
つまりどちらの化物の誘惑に対しても、ロザリオの前に屈しないという姿勢を表現しているのだろうと想像できる。これらのシーンは人間の欲を表し、その表現方法をメタモルフォシスというルネサンンス時代に考えられた技法で社会風刺をしているのが一目瞭然である。
これら二つのオブジェが作られた時代というのは、ちょうど資本家と労働者達とが対立していた社会動乱があった時で、しかも教会から学校を切り離し労働者の権利を暴力で訴えようとするアナーキスト、つまり無政府主義者達による爆弾事件の起きていた時代である。
そんな社会背景をガウディは傍観的に見て、それを建物に彫り込むことでメッセージとして時代を超えて訴えようとしていた演出行為ということになる。

     
田中裕也氏プロフィール
 
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