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建築家トップ > バルセロナ便り > 第239回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

グエル公園のベンチに込められた巧みの粋

ガウディによる職人たちとのワークショップで気になったのは、グエル公園の施工である。ここでは15ヘクタールの敷地ではじめに建材を運ぶ為の通路を作ることになり、あわせて高架を計画する。しかも2年でその高架を造る事になるのだが、それまでに例のなかった施工法をガウディが考案する事になる。それがプレファブ工法である。
使用された素材は、現地、禿げ山(montaña pelada)を掘削して採掘された岩や石。これらを利用して高架や広場を造る事になった。なかでも興味があるのは代表的な多柱室とその上にある広場である。幅40m長さ86mという大広場である。山側の一部に基礎を添えて地中海に向っての縦長の広場が広がるように計画している。山側は半円形の土塁が粗石積みで4mの高さに立ち上り、その上は平な通路となりヤシの木と車止めの玉が並べられている。その台からは地中海が展望できるような見晴し台にもなっている。
しかもこの広場の海側の端には半径2mの円弧による蛇行ベンチがあり、これも何とプレファブであった。全長250mとなるこの蛇行ベンチは、座板の高さが40cmなので日本の家具のサイズと変わらない事に気がついた。この公園の代表的な部分と言うのは実はこのベンチであり、ただ座る事ができるというベンチではない。ガウディの巧の粋が結集された芸術作品になっていると言う事に着目してほしい場所でもある。
この煉瓦下地のプレファブ工法による蛇行ベンチの仕上げは、破砕タイルである。しかもセラミック工場ではねられた品を回収したり、廃材を利用したりエコな概念を取り入れての施工である。所々見せてくれるガウディのメッセージは現代アートに生かされる事さえある。中でもミロの作品に登場するような装飾レリーフ・モチーフまでがその仕上げになっている。
その装飾が重要ではなくその作り方が面白い。つまりエコなのである。
ガウディはこの作業中には毎日のように職人たちに「明日、現場に戻ってくる時には隣近所で捨てられているようなタイルがあれば集めて来てほしい」と言う指示をだしていたという。ガウディの下で協力者として働いていた建築家ジュジョールは彩色家で、彼自身の作品カサ・ネグラでは、極彩色でサイケドリックと言う表現が相応しいほどであり、ガウディの作品にもその影響をおよぼしているところがあったりする。そこで第三者はそれを見た時にガウディの作品がサイケとかシュールに見えると言う人さえいる。現実にはガウディの彩色と言うのは色調が淡く、むしろ優しい印象派的表現に近いのではと思う事さえある。何れにしても南フランス系の血筋をひくガウディの彩色は、全体的に淡いということが言える。それを如実に演出しているのはカサ・バトリョのファサードにおける彩色。その裏側ファサードや内部のパティオの色彩等も芸術的な彩色と言うより建築機能を含めた合理的な彩色であり、光と機能を利用した彩色ということなる。

ガウディのグエル公園における破砕タイルの彩色に関しては、基本的にジュジョールに任せていたと言えるだろうが、場所によってはガウディの監視下で色合いが調整されてジュジョール特有のサイケドリックさは薄れてむしろ洗練された色調がこの破砕タイルで広がっている。
     
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