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建築家トップ > バルセロナ便り > 第244回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

曲線、螺旋、捻れ……

確かに施工されたカサ・ミラのファサードは曲面ばかり。
その建物をどの程度の実測ができるのかは疑問に思った。それでも私はこの作品を実測しようと決心したのが1979年、カサ・ミラの現場の前で実測するためにどうするべきか躊躇していた事を想い出していた。とりあえずは、すでにカサ・バトリョでの実測トレーニングをしていたので、その威勢でカサ・ミラのファサード開口部等のデッサンを始めた。するとおもしろいことに気がついた。定期的な時間帯で開口部と影の様子を描くと同時に、窓や入口などの開口部の縦横の幅を実測することにした。さらにそれぞれの写真も撮りながら実測デッサンの整理をした。そこで、以前にこの建物アパートの改築計画のためにセサール・マルティネールによる建築許可申請図と作図が研究室にあったのでそれを比較検討した。そして階段の段数や蹴上げ、踏面を計測することで建物の階高と階段の様子は確認できた。
さらにスケッチ、実測、写真の作業を定期的な時間ではじめた。
階段の実測はすでにグエル公園やカサ・バトリョからの作業継続であったために躊躇する事なく、また同じように階段から取りかかった。
内部を測る事には建物管理人の口頭による許可を頂いた。それによって最上階の屋根裏部屋をみることができた。研究室の古文書では当時の写真がみつかり煉瓦仕上げによる洗濯場になっていた。ところがアパートに改築されてからはジェッソ(漆喰)下地に白色塗装仕上げで廊下にまで及んでいた。そこで間仕切りがされアパートメントがつくられていたのだ。中でも写真家のアトリエになっていてアパートは中2階もあった。
大小異なるカテナリー曲線隔壁アーチの連続はどうみても今風のアパートではないことは一目で理解できた。それは古風と言う意味ではなく時代を超越した未来的な空間にさえ見えた。平滑な内部空間による軸組の伝統的日本建築とは比較にならない印象を受けた。
ついでに階段状に起伏した屋上階を実測した。ここでは、彫塑的な階段室は煉瓦下地に破砕タイルで仕上げられたカテナリー曲線回転体になっていた。
その中に内蔵された螺旋階段と換気塔の組み合わせは、カサ・バトリョの屋上階段室と同様の組み合わせで後にグエル公園のパビリオンでも同じ構成になっている事に気がつく。階段室と通気塔、この組み合わせにどんな意味があるのか気になっていた。ある日、カサ・ミラの屋根裏階に住んでいた写真家に「風のあるときは煙突が音を鳴らす」と言う話しを聞かされた。
つまり空気の流れによって笛のように音がでる。それは偶然かまたはガウディの作為的なデザインなのか考えさせられた。
薪を燃やすと煙は上昇する。しかし煙は螺旋状に回転しながら上昇する方がより上昇しやすい。つまりカサ・ミラの煙突がことごとく螺旋状に捻れているのは装飾かそれとも別の理由があってのことなのか知りたくなった。排水溝に落ちる水も不思議に螺旋状に落ちることで排水の勢いを増すが……

そこにどんな物理的理由がかくれているのだろうか。それとガウディの捻れはどんな関わりになるのだろうか。
     
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