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建築家トップ > バルセロナ便り > 第266回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

スペインとカタルニア

螺旋階段の模型作り体験から数日後の早朝、サグラダ・ファミリア教会の模型室に残していた作りかけの模型を継続しようと思い、鐘楼の実測調査の後、模型室に立ち寄った。作業に取り掛かろうと自分の作業場に近づくと、目の前に私の模型が完成していた。あの一塊の石膏を私に渡してくれたジョセップがいつのまにか完成してくれていたのである。あの時はとても嬉しかった。
というのも、彼は初めて挑戦する私に「この塊から自分の望む形を削り出せるか」と問いかけてきた。初めてのことであったので「やってみるさ」と疑心暗鬼の答えをしていたことを記憶している。
石膏は乾いていると非常に硬い。どんな風に削れば良いのかさえも分からなかった。それで他の職人達の作業風景を見ていた。人によってはノコギリやノミを利用して上手に削り出している光景を見ていた。それで早速ノコギリで削ろうと思ったがどうも硬い。
するとジョセップは「最初はその石膏の塊を水につけると作業がしやすい」というのでそのようにして作業を始めた。確かにその通りであった。
しかも彫刻刀でも削れるほどになるが乾くのも早い。その代わりその塊は非常にデリケートな扱いを必要とされることもわかってきた。つまり細かな部分は用心しなければすぐに壊れてしまうのだ。

そんな石膏模型の初心者である私を見るに見かねたジョゼップは、私の希望していた螺旋階段を完成してくれていたのである。
彼らとは今でも交友があり個人的な話も自由にできる仲間である。
実測している間は、このようにして模型室に通っては職人達と油をうっていた。さらに模型や幾何学の専門用語も教えてくたりもした。その様子は私の雑記帳にメモされている。

彼らはカタルニア人だから、時々はカタラン語で語りかけてくることさえある。今では慣れているので問題はないが、最初の頃の私は、スペイン語と言われるカステリャーノ語さえ大変な思いをしていた時でもあった。ましてやカタラン語など覚える余裕すらなかった。それでも彼らには今はカステリヤーノ語を勉強中と返答していた。
今では、カタルニアは独立運動を起こしていて、カタルニア人たちは強い口調でその運動と母国語の協調をする。歴史的にマドリッドを首都とするカステリャーノ語を中心とする中央政府の動きに対する、その抑圧からの解放運動でもある。
スペインの一部として位置付けられながらも、生産高と観光による名声はスペインの中ではトップであるそのカタルニアが、スペイン国の経済危機と脱税が続く政府の行政管理の悪さを見逃すわけがない。南スペインの仕事のルーズさと失業率に対して、あまりにもスペインの予算を投入する政府の行動にもカタルニア人たちは黙っているわけがない。それらの不満も合わせてこの際、独立するべきとするカタルニアの政党が活発になってきている。
まるでヨーロッパ共同体から離脱したイギリスのような動きをしようとしているのである。
ガウディの時代にも同じように、中央政府からの抑圧により警察とガウディの揉め事のエピソードが残っている。彼の愛国主義は知られている。

彼のアイデンティティーは作品の中にも表現される。カタルニア神話、歴史、文学、そして何よりカタルニアの温暖な気候風土の演出を作品に表現することである。
     
田中裕也氏プロフィール
 
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