歩測で見えてくる都市のありかた
歩測(Podometero)というのは,エジプト時代も利用している。その当時の測量道具にバラガールというのがある。その道具は3本の針が付けられることでマーキングもできるようになっている。その道具の長さと針の位置は歩幅と尺骨の長さを割り付けているのである。 これによるとCodo(尺骨の長さ 34.81cm)と歩幅(54.43cm)となっている。当時は一歩を2足分ということで、54.43cmとしている。 それによる歩幅が二足分となる。つまりそのモデルになった人の足は27.11cmの人であるとすれば身長は175cmほどの身長ということになる。
足のサイズから身長が想定できることから当時の体型までも想定できる。
私の歩幅が75cmとするとその足の大きさが37.5cmとなってしまい。身長は2mを超えてしまう。実際の歩幅というのは身長によっても異なる。私の場合は通常より歩速が早いと言われることがあり、若干歩幅も大きく75cmである。
通常一歩というのは2足分として計算することになる。つまり踵から測るともう一方の前に出した足の踵までということになる。それは足(脚ではない)の長さの半分で測ると足の爪先でも踵でもなくなり、歩幅は二足分となる。つまり歩幅による測り方は、足のどこを起点にするかによっては若干異なるということである。踵から踵、つま先からつま先、そして土踏まずから土踏まずというふうにして測るとことでより正確な測りかたとなる。
この歩数を習慣づけることで何が得られるのか。
まず歩数を数えることで距離、時間が見えてくる。人々の生活空間もその単位で設定されていることも見られるようになる。
例えばバルセロナのバス停は250歩間隔で置かれている。つまり187.5m間隔で停留場があるのだが、それは私が計ったおよその長さである。 厳格には、その間隔ということではない。通りによっては交差点があったり、広場であったりして地域によって若干長さは異なる。 つまり187.5mというのはおよそであるためにさらに数字を丸くしておよそ150mから200mという数字もその間隔で基準値として見ることもできるだろう。
このようにして住んでいるところの長さや位置などを歩数で計っておくと面白い点に気づくようになる。
私は現在、バルセロナに在住しているのでそこでの実測値を見てみる。
道路幅は20m(約26歩)、そして建物が並ぶ地区をマンサーナとして一辺が133.33m(約178歩)の正方形状の格子状都市計画で拡張地区が計画されている。つまり一区画は道路芯によるとさらに20mの道路幅を加えると153.33m (約204歩)× 153.33m(約204歩)となる。
つまり先ほどのバルセロナ拡張地区でのバス停留場の間隔は一区画ごととなってしまうが、実際には二区画ごとになっていることから306.66mごとにバス停が置かれている計算となる。
正方形の格子状都市計画は、大通公園を中心とした札幌でも実施されているので、その一区画を歩測で測ってみた。すると140歩とすると107mの幅の建物ブロックとなり道路幅は20歩であれは15m程になる。
つまり一辺107m×107mまたは107m×53.5mといった矩形の形も構成されている。
ここで道路事情をみる。するとバルセロナの街の道路事情は基本的に一方通行だからこの格子状では交互に通行している。
ただし道路幅員が通常の1.5倍がランブラス通り、1.5倍がアラゴン通り、2.5倍が グランビア通り、3倍がパセオ・デ・グラシ通り、4倍がディアゴナル通りとなっている。 道路幅員が通常より大きいところはアラゴン通りを除いてすべてが2通になっている。
そこで都市における建築ブロックと通りの関係は、歩行者の立場からすると建築ブロックの幅が150mをすぎると散歩していても疲れてしまう。さらに視覚的に圧迫感もある。つまり都市の在り方としてはストレスのたまりやすい問題が起きることも予想できる。 |