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建築家トップ > バルセロナ便り > 第339回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る


意匠にもサステナブルな工夫を凝らしたガウディ建築

ガウディの日記には
「建築が複雑になれば工事は問題でなくなる。つまり手間を合理化することで工程の難しさと共に利益になる。この仕事は慎重で、僅かな知的努力と手すでに間の合理化をさらに検討した方法と工程である」
と記している。
この定義に沿ってガウディの建築を実際に検討してみると、1878年に建築家となってからのガウディの作品にはその形跡が見られる。まずグエル別邸ではカテナリー曲線とその曲線によるキューポラがある。中でもキューポラの仕上げに破砕タイルを利用しているが、それが廃材であることがわかる。現代ではサスナビリティーな言葉がもてはやされた事業や建築手法をベースに計画されるようになってきているが、すでにガウディはこの1883年から1887年にかけてバルセロナの事業家で当時のアーティスト達のパトロンでもあったエセビオグエルの別邸で実行していた。
北西に向いた中央入口には日常人々が出入りできる幅1mの鍛鉄扉と4.72mの片開きの鍛鉄ドラゴンの飾られた扉がペアーになっている。そしてこの片開き扉を一辺が1.35mの大理石の角柱土台の上にレンガ造の控え柱が支え、さらに砂岩でオレンジの木のレリーフとアンチモニーによる彫塑が載せられている。この控え柱の見所は先頭のこのレリーフと彫塑であるが、もう一つはこの控え柱の煉瓦積みの目地に細かい破砕タイルが嵌め込まれている点だ。なんでこのような手間のかかるデザインをしたのか考えながら実測していた自分を思い出す。
この頃は原書を読破するのが大きな壁になっていた。それでも実測と作図は進めることができたので、王立ガウディ研究室のバセゴダ教授からの依頼によってこの建物実測と作図を進めていた。すでに学生達による作図があったのにさらに私に作図を依頼してくれた理由は、その作図精度に注目していたからである。
いつもの階段の実測から始めていたことで作業はスムーズに進んだ。途中でバセゴダ教授はコロンビア人の大学院生Davidが協力してくれるように手配してくれたが、基本的には私の実測と作図が主体であった。
実測をしながらガウディの日記に従った合理性を考えていた。むしろ合理性の前にアイデンティティーと地域性を主体とした建築コンセプトになっていることを理解し始めた。
その一つがこの鍛鉄のドラゴンであり、これが地中海の伝説に登場するラドンというドラゴンであることはバセゴダ教授が説明していた。そしてそのラドンが登場するのはギリシャ神話のヘラクレスの冒険であり、ヘスペリデスの園を守っていたドラゴンを演出しているとしている。まるで神話の世界を彫塑で具現化したのがこのグエル別邸ということになる。
そこでこの控え柱の煉瓦積みがどうして細かな破砕タイルの貼られた目地をデザインしたのかということが理解できるようになった。朝の南東からの光を受けて反射して見えるようになる時間帯があるのだ。そうするとこの控え柱がまるで別世界の輝く柱となる。

つまり神話上のステージを演出効果として利用しているということに気がついた。
     
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