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実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

この数年でカサ・バトリョに加えられた改修は
オリジナルへの回帰か、破壊行為か?

スペインのクリスマスは,マイホームで過ごす。
路地にもクリスマス飾りが付けられて毎年趣向を凝らすのだが、今年は不思議にあまりにもさっぱりしている。
いつもだとバルセロナ大聖堂の前も飾りやプレゼントの露店で賑わうのだが、今年は何も見ていない。
通常クリスマスというと、キリストの誕生を祝うお祭りである。その為に教会は厳粛に式典やミサが行われる。街の飾りもクリスマスと、南国からの王様達による奉納をもった拝礼を演出する飾りがあちこちで見られる。
特に大きなお店やデパートでは王座が仮設され、立ち寄る子供達は希望するプレゼントを書いて封筒に入れ、王様に差し出す習慣がいつの間にか定着している。

そんな光景を街のどこかで見られると期待して、昨日は夕方、街に散歩に出かけたが期待はずれであった。どの路地も素朴な路地のネオンで飾られていたが、サンタクロースの姿も王様の姿も見ることはできなかった。

カサ・バトリョの周辺も毎年趣向を凝らしたネオンになっているのだが今年だけはどうも殺風景な感じもした。
私が1978年にこの建物の実測を始めて以来、今まで数えられないくらい何度も目にしてきた。
いつもと変わらない姿と思うだろうがそうではない。
例えばバルコニーの色は、以前は黒に限りなく近いネズミ色で仕上げられていた。
それがバルセロナ・オリンピックを前後に持ち主も替わり、バルコニーの色がベージュに変えられたのである。
理由は当時の写真技術の現像によるとのことで、本来はベージュ色であるとガウディ研究室では説明していた。
私が目にしてきた当時の写真では、暗色は、やはりモノクロのフイルムで写しても暗い色となると信じているので、私はまだ研究室の説明に納得していない。

すでに1871年には写真乳剤が塗られたガラス板を利用した写真機もでてきて、シャッターもようやく取り付けられた時代である。そして1888年にはセルロイドに感光乳剤を塗布したロール状のフイルムも製造されるようになり、その生産をコダック社が始めている。
それから18年後にカサ・バトリョの作品が撮影されているのである。
当時の色の識別を白黒写真からどのように想定できるのだろうか。
アイデア募集といったところだろう。

ついでに一眼レフができるのは1950年まで待たなければならなかったが、それから40年後の1990年ではデジタルカメラが出現した。
このカメラでオートマチックにして暗がりをフラッシュ無しで撮ると、嘘のように明るく被写体が写る。

ガウディの写真技術への関心は、サグラダ・ファミリア教会の模型とモデル制作の段階で示している。
当時の写真は高価なものである。ガウディは一枚の写真で裏面、側面、正面を一度に見られるようにモデルの後ろに三面鏡を置いて撮影している。
一方でコロニア・グエル地下聖堂の逆さ刷り構造実験では模型の写真を写し、それを逆さにすることで疑似的に建物が建っているかのように想定してその上からポスターカラーで着色して建物デッサンをしている。
作品を計画するのに既にガウディは写真の技術を応用してデザインを展開させようとしていたのである。

またカサ・バトリョの所有者が替わってから一階の間仕切りは変えられ、地下へのアクセスも入口付近に螺旋階段がつけられて一部変更されている。2005年に世界遺産となったカサ・バトリョである。世界遺産に指定される前にこの工事はされているが、これからはそんな改造も許されなくなる。

編集部注:原稿は2005年12月に執筆されました

   
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