熊本県の最北部、福岡県との県境にある鹿北町は熊本市から国道3号線を40kmほど北上したところに位置する。
古来より美しい自然、尊い文化・歴史に恵まれ、数多くの古き良き風景・場所がいまだ数多く残っている。また茶・栗・筍など多くの特産品を持ち、竹を利用した工芸品などが有名である。そのまちなみから、豊かな文化が育まれてきたという印象を強く受ける。敷地は鹿北町役場の近隣、県道18号線から北へ伸びる小道を数十メートル進んだところにある。大きく湾曲した小道におのずと視点を操作され、ドラマチックな風景の中に、極めて自然なかたちでN-HOUSEの外観が目に入ってくる。竹山を背にし、正面には水田が開け、建物は豊かな環境に囲まれている。周辺の風景を形成する山並み、入母屋・切妻の民家に調和するべく、未来へ羽ばたく若い夫婦のために、現代の住まいをここに提案する。
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