part5 構造と技術編
どんな構造が可能なのか
住宅の最新技術にはどこが強いのか
■大手メーカーはプレハブ工法、工務店は木造軸組が中心
まず、どこに頼むかによって、住宅の建て方、工法の制約が出てくることを知っておきましょう。
現在、大手の住宅メーカーといわれる企業は、その多くがプレハブ工法の住宅をメインとしています。図表1にあるように、積水ハウス、大和ハウス工業、ミサワホームなど全国的に知られる名前が並んでいます。ただ、こうしたメーカーでもプレハブ工法だけではなく、木造軸組工法や2×4工法を同時に手がけているところもあります。
2×4工法にも大手メーカーが並んでいます。他の工法を扱っているところもありますが、三井ホーム、スウェーデンハウスのように、ほぼ2×4工法のみのところが少なくありません。
木造軸組の大手メーカーは少なく、住友林業がその代表格といえるでしょう。
これに対して、工務店は木造軸組工法が中心となっています。最近は、工場で木材をプレカットする割合が高まっていますが、プレハブ工法のようにさまざまな面で規格化されているわけではなく、あくまでも自由設計の注文住宅が主流となっています。
一方、建築家はプレハブ工法の住宅は扱いません。住宅メーカーに所属する建築士の資格を持つ人たちはプレハブ工法を扱いますが、そうした企業内の有資格者は一般には建築家とは呼ばないようです。
図表10 工法別の主な住宅メーカー
木造軸組工法 |
住友林業、アキュラネット、アイフルホーム、一条工務店、ユニバーサルホーム、積水ハウス、東日本ハウス、城南建設、ロイヤルハウス、クレバリーホーム、タマホーム |
2×4工法 |
大東建託、三井ホーム、スウェーデンハウス、セルコホーム、東急ホーム、大成建設、サンヨーハウジング、新昭和、相鉄ホーム |
プレハブ工法 |
積水ハウス、レオパレス21、大和ハウス工業、ミサワホーム、積水化学工業、パナホーム、旭化成ホームズ、トヨタホーム、エス・バイ・エル、大成建設 |
■建築家も鉄骨造りや鉄筋コンクリート造りが可能
主要な部材が何かという構造面からみると、ひとくちにプレハブ工法といっても、木質系、鉄骨系、コンクリート系などに分けられます。木質系ではミサワホーム、エス・バイ・エルなど、鉄骨系では積水ハウス、大和ハウス工業、パナホームなど、コンクリート系では積水化学工業、大成建設などがあります。もちろんメーカーによっては、木質系、鉄骨系を合わせ持っているところ、鉄骨系とコンクリート系を両方手がけているところなどがあります。
小規模な工務店では木造の軸組工法のところが多いのですが、やや規模が大きくなると鉄骨造り、鉄筋コンクリート造りも可能なところがあります。
また、建築家に関しても同様で、木造軸組を得意としながらも、鉄筋コンクリートの住宅を手がける人もいます。ただ、設計できる棟数は、1人で年間数棟から10棟程度でしょうから、得意不得意分野がある程度ハッキリしているので、その人の実績などをみながら、どの工法、どの構造に強いのかを確認した上で依頼するのが無難です。
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