螺旋階段も130段目からは、鐘楼部分を取り巻くスパイラル状に設置された階段であり,初めのビオレ風の螺旋階段とは回転方向が逆となる。
生理的に128段も一気に上り下りすると目眩がする。ましてや最上段の334段まで同じ方向で登るとなると想像するだけでも吐き気がする。
実際には踊り場と同じようなテラスを設けながら、しかも進行方向を変えるというのは生理的にホッさせてくれる。
そんな階段を測るのだから一気呵成にはいかない。
しかも上へ登るに従って少しずつ階段の踏面の大きさが異なる。
ここで階段を一段ごとに測らなくてはならないということに気がつき一瞬、冷や汗がサッと額を濡らしたような気もした。
しばらく鐘楼のテラスに出て外の空気を吸いながらバルセロナの街を眺めることにした。このまま階段を一段ずつ測ることになると更に膨大な時間が費やされるということで躊躇してしまったのだ。
ここでようやく事をなし得るには全て“ステップ”や経緯があることを身体で感じ始める。
階段を測る事へのマンネリとその実測の取り違えも起きそうな気がした。
そこでサグラダ・ファミリア教会鐘楼の階段実測の視点を変えることにした。
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