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建築家トップ > バルセロナ便り > 第197回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

珍しい、ガウディによるテナント計画

ガウディが計画したバル・トリノという商店建築がある。この名前をはじめて見た時私はイタリアのトリノに由来しイタリア風の料理をだすバルなのかなとおもっていた。ところが本来の理由は他にあった。この建物の場所には1934年に建築家ホセ・ルイス・セルトによって計画された宝石店ロカが建設されてしまった。よってガウディによる魅力あるバル・トリノの姿は消えてしまった。
このテナントは、食前酒として飲まれるイタリアのお酒マルティニーの販売をするため、施主フラミニオ・メサラーナが1902年にパセオ・デ・グラシとグランビアの角地に計画した。そこで、このバル・トリノという名前は、装飾家リカルド・カップマニが、バル、カフェ、ビアホールと三つの要素を持つテナントということから「トリノ」(三位一体)となったとされている。1902年にはバルセロナのテナント優勝賞まで獲得していた。中でも入口ファサードの中央柱には、彫刻家アルナウによる左手にグラスを持つ女性とそのグラスにワインを注いでいる女の子のエレガントな深彫りレリーフがあった。しかしその女の子はブドウの木から体を迫り出しているので、むしろギリシャ神話に登場する木の妖精ドリュアスではないだろうかとファンタスティックに考えてしまった。本来であればオークの木に宿るとされるが、ここではブドウの木の下に表現されている。そして入口建具はペドロ・ファルケスと鍛鉄工マヌエル・バジャリによって鉄のサッシとガラスで製作されている。アーチの形はカサ・バトリョの暖炉のアーチに酷似するが、そのアーチを鍛鉄で仕上げるというのが特徴である。
現在このアーチを再生すれば、テナントしても非常に際立った門になる。
残念なことに、このテナントというのはサイクルが短い。むしろ建物も含めてガウディによって計画されていれば撤去されることはなかったのかもしれない。
テナントとしての宿命の一例である。儲けがなければ替わりの商売を考えなければ維持ができないというまさに消費社会での厳しい生き残りをかけた資本主義の鉄則なのかもしれない。そこで人口の少ない地方都市でのテナントはどうなのか。
スペインにおいてパン屋は、堅実な商売としてどこにでも存続しうる。日本のお米の代わりの主食だからである。
次に市場(メルカード)、これも街には必ず一つ以上はある。そこが昔から食料品、日常用品が手に入る所だからである。日本の廉売的な存在である。スーパーマーケットとは少々概念が違う。まず安売りはしないが、季節に応じてセールがある。街の一角にあるから駐車場は備わっていない。しかし最近は増改築で駐車場を添える市場もでてきている。

次に散歩がてらに飲み食いできるバルとなる。ここは住民の社交の場である。
件数は別にしてもどんな小さな街にも数件はある。バルセロナには数えきれないほどである。私がはじめてバルセロナに来た頃のバルというのは、日本の保健所が見たら一斉にシャッターを降ろさせるほどに床がゴミだらけであった。

彼等に言わせるとゴミが多いほど人気が高く美味しい店だと言うのだが、ものは言いようである。
     
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