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建築家トップ > バルセロナ便り > 第199回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

歴史的建造物を生きながらえさせる方法もいろいろあるが

バルセロナでは、1929年に第二回目の国際博が行われた。その時にスペイン広場に面して建てられえた煉瓦造の闘牛場、広場の中心にある噴水モニュメント、見本市会場、カタルニア美術館、などがある。中でも闘牛場は煉瓦造でモデルニズムのスタイルを生かして造られ、見事なファサードがある。このファサードをモール計画で保存しながら中だけの大改装をしたのである。鉄骨とコンクリートの組み合わせで面白い保護方法となっている。
内部をコンクリート、鉄骨、ガラスとで構成し、古くなった煉瓦のファサードは宙に浮かせたように保護されている。
日本であれば、歴史的建造物は現状維持を基本とする姿勢から、この闘牛場のファサードを残しての大改装計画は不可能に思えた。しかも歴史に対する頑固なまでの保存姿勢と対応には敬服する。しかしそれでは建造物としての生命が損なわれるというジレンマが発生する。建築物は人々に利用されてその価値が産まれる。さもなければ棚に飾っている人形であって、何の利用価値もない。
建築物は利用され初めてその価値がでてくる。劣化するし消耗もする。そこにはメンテがいつの時代にも求められる。時間が経過すればそれだけ老朽化するわけだから当然のことである。しかも時代に応じた使われ方をされる事で、その耐久性も問われる。
そのあたりお洒落で芸術が理解できる街バルセロナだからこそ、日本では不可能な事でも許されるのかもしれない。

ガウディの計画した建物で現在利用されていないフィンカ・グエルという建物がある。2009年までは王立ガウディ研究室があったところだ。私の思い出の多い建物で、しかも実家のように利用させてもらった。
その建物は、本来の所有者バルセロナ大学の管理下にある。その副学長ルールデス女史は、将来修復してブティックにするというのである。
私はその意見に閉口せざるをえなかった。所有者が言うのだから仕方がないということになるのだが、よりによって大学副学長が言う言葉ではないとも思えた。少なくとも高度な知識学者であるはずが、そのアイディアの貧しさに閉口してしまったのである。
現在のカタルニア大学の経営危機を救える策を考えた挙げ句の果てがそれである。それなら仮死状態になっているほうがましかもしれないとさえ思えた。

このフィンカ・グエルは、ガウディ研究の中心地として世界的に認知されていた所である。その代表を務めていたのが昨年亡くなったバセゴダ博士なのだ。
彼もホセラ・フォルスからの後釜としてそのガウディ研究室を支えてきたのである。60年以上もの歴史をもつ研究室として利用されていたのである。
社会的認知度もそれで高まっていた。それを現在のニーズに合わせてブティックにするという考えはどうだろうか。
建物だから人の出入りがあってはじめて生きる。それがなければお化け屋敷とかわらないわけだ。しかし、よりによって商業施設に変身させてしまう事自体が不思議でならない。さすが女性のアイディアとして褒めてあげなければならないのかもしれない。
それにしてもバルセロナというのはブティックとバルが目立つ。
着飾って、食べて、太ってという食欲旺盛でお洒落な人達である。彼等にとっては迷惑なコメントかもしれない。しかしそれを企画した投資家達はまさにそのレベルの消費者をターゲットにしている。まるで虫かごに入れられた虫、餌も沢山あるから、たらふく召し上がれ。と言わんばかりである。

     
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