リズム感のある煉瓦のリング配列は馬の調教のための催眠効果を狙ったか?
そんなことから直感的に床の煉瓦配列が何かリズム感をもたらしている気がしたのである。
時々バルセロナにサーカスがやってきて馬に芸をさせるシーンでは、調教師が必ず、ホールの中心に立ってムチをもちバシバシ音を立てながら馬を円状に走らせる。煉瓦配列のリズムも馬を調教する方法かなと思い浮かべた。馬を調教するために音と、視覚的手段としては煉瓦リングにより、まるで催眠術にでもかけるようにして馬を馴らすことを考えたのかもしれないと思い浮かんだ。
調教場のリングは一見、装飾的な模様にも思えるが用途から考えて装飾をするだけの意味を持たないのは事実である。
むしろ機能や施工的問題からの解決手段であると推測できる。
通常であれば放射状に並べるだけで済むところをなぜそのように手間のかかりそうな並べ方にする必要があったのかが最初の疑問であった。
ガウディは“物の実現は法則に従うことで創造の法則である。体験は創造の承認である。”
という言葉を創造性について述べている。
ある日、古文書を調べていたら、馬を調教するという場所ではなく実際には馬車を置く倉庫として利用されていたことが、当時の写真からも確認できた。
とすれば後は施工上の理由から、この床リングのリズムが考えられることになる。
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