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建築家トップ > バルセロナ便り > 第235回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

楽器としてのサグラダ・ファミリア

物質にはそれぞれに音がある。しかも金属音、ガラス音、陶器の音、木材の音、石の音の様に材質によって音質も変わる。
ガウディは、建築をする上で音に特別な関心を示していた。サグラダ・ファミリア教会でのカリジョンの計画をしていたことは知られている。特に鐘楼の内部構造を実測していて気がついたのは、誕生の門の4本の鐘楼は二本で対になっていること。誕生の門の両脇の背の低い鐘楼は下部で6層の部屋に区切られている。ところが背の高い内側の鐘楼は下層には五つ層になっている。
それぞれ対になっている塔同士では、通路とブリッジで連絡しているが、なぜか背の低い鐘楼において5層目だけが孤立しているのか気になった。
それぞれの層の床板中央には、直径1.5mの孔が開いている。
ところが2層目と4層目の床の孔にはカギ状の段がついている。
私はこの部分を実測していて、時には蓋をするためのディテールではと考えた。
筒状の内部空間は、最上層の天井構造体ではワイン・ボトルのように壁からボ-ルトにかけてのラインは放物曲線状に構造体が繋がっている。
ところが首のところのスリット孔が建物の外部に向いている。しかも規則的な角度に従っていることから、まさに音の指向性を考慮しての事だろうと考えた。
首の周囲には階段状の床板も同じ方向に向いているのである。ふと想い出したのはマヤのピラミッドである。確かあの階段状は祭事で司祭の声を反射させる為と言われていた事を想い出した。
そこでガウディの階段状ボールトがカリジョンの音を反射させる役目になっているのではとおもった。

つまり、サグラダ・ファミリア教会では祭事と音楽があると。

民族学的に人々は、行動する上でモチベーションを高める為、音つまり音楽やリズムによって祝い事をする。戦いに出かける前の祝い、勝利をして凱旋したときの祝いなど。つまり事あるごとに音楽をもって表現するというのは本能なのかもしれないと思えた。

ガウディは自らグレゴリアンの合唱隊に参加している写真がある。他の仲間の影になり白髭を蓄えた顔だけが写真で見られる。この写真からも音楽に関心があったにちがいない。音への好奇心は建築に生かされるはずだ。
その応用編は、フィンカ・グエルの調教場の放物曲線状キューポラに始まり、コロニアグエル教会地下聖堂の中央祭壇の放物曲線状の二重壁、サグラダ・ファミリア教会の鐘楼と身廊天井の放物双曲面体、グエル邸の中央サロンの円錐の内部に納まっている放物キューポラ、グエル公園の多柱室放物曲線状キューポラ天井、等に反映される。これらは音の反射を促している事が理解できる。
サグラダ・ファミリア教会での音響問題は理解できるが、ガウディの初期の作品となるフィンカ・グエルでの調教場において、なぜ音響効果が必要だったのかと言う疑問が残った。

むしろ馬を調教するには音響効果などが必要になるのだろうかとさえ思いはじめた。その床仕上げを見ると、そこでは正方形の床に円形上に煉瓦が小端で並べられている。しかもリング状になっていることで並べ方次第で水の波紋のようなとてもリズムカルなリングとなり、これが室内音と調教に関係するのだろうかと思った。
     
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