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建築家トップ > バルセロナ便り > 第272回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

グラデーションと窓の大きさで
採光をコントロールしようとしたのか?

カサ・バトリョの作図をすることに決めた時、あまりの装飾性にどこからどのように測るのか迷っていた。内部から案内の説明を受けたころというのは、丁度、グエル公園の階段を測っている時でもあった。私としては、全体を見る前にカサ・バトリョの階段だけを測ることにしていた。それに沿って案内人は最上階まで同行してくれた。そこで、「そうか」と思った。グエル公園の時と同じように階段だけなら抵抗なく測れると思い始めた。

最終的な仕上がりを考えずに階段だけの実測に専念し、その実測の整理を始めた。するとどうしたことか。何度も測っているうちにその内部空間や動線が理解できるようになる。しかも階段を測ることで建物の階高も理解できるようになるし、階段に沿った動線と合わせて部屋の配置まで理解できるようになる。

カサ・バトリョの階段は下層から上層階まで同じではない。上層に上がるに従って踊り場が狭くなっている。パティオ側に面した窓のサイズは上層階に登るほど小さくなる。それだけではないのだ。そのパティオに沿った壁面仕上げタイルまでも青と白系の15×15の正方形タイルを組み合わせ、青によるグラデーションによって上層階の青から下層階では白っぽくなる。
パティオ側の手すりの腰壁は波型の透明ガラスで、そこからパティオの青系の壁面タイルが水のように歪んで見えている。これは水の演出となっていると考えさせられた。各階の居室空間への入り口扉にはレリーフのついた羽目板とガウディのデザインしたドアノブがついている。ドアノブは手に収まりやすい。
その扉の枠も青系の陶器で仕上げられている。つまり建物の内部は水の表現なのだろうと理解し始めた。
そのようにして測りながら詳細を検証しはじめたのも10年後の話であり、そこから原書を訳しながらその詳細に関わるデーターを追いかけ始めた。測りながら、どうして各階の窓の大きさが異なり、パティオのタイルの濃淡をグラデーションによって異なるデザインにしたのだろうかとか考えさせられた。パティオのタイルは反射して内部に明るさをもたらし、窓はその光を受け入れる。ところが窓のサイズが異なれば光の量が異なる。つまり各階の明るさが異なるということになる。
そこで整理できることは、上階は当然開口部の口付近となり全階の中では最も光が強いため、窓が小さく紺色に近い青色系。ところが下層階では光の入り口から最も遠いところなので光も届きにくいため、パティオの仕上げタイルはほぼ白に近い仕上げとなり、またパティオ側の窓の中では最も大きなサイズになっている。最上階の明かり取りからは遠くとも、窓が大きければ明るさも高まるということになる。しかも仕上げタイルは下層階では白っぽいわけだからより明るい自然光が入ってくるという仕組みが考えられる。
ということは、パティオに面した青色と白系のタイルの組み合わせによるグラデーション仕上げは、各階異なる窓のサイズとは相関関係があるということになる。
つまりガウディはこのパティオで水色または青色のタイルによるグラデーションによって、各階の自然光の量を均一化しようとしたのではないだろうかという洞察ができる。

そうとすれば次に裏付けとしての科学的な実験が必要となる。

各階の光の量を測りたくなる。これが証明できればまた新たな発見となる。
     
田中裕也氏プロフィール
 
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