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建築家トップ > バルセロナ便り > 第300回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

ガウディによって気付かされたこと

現在,東京都天王洲にある寺田倉庫の建築倉庫で「Gaudí Quest」が実施されている。これはガウディをはかる展であり、その中の全ての作図は、私が40年かけて描き続けてきた成果である。今年の3月27日からオープンして6月30日にはこの展示会の幕を閉じることになる。
この期間中に、これまでにない日本との往復を行った。しかもトークショーも定期的に実施され、まるで授業をしている気分にもなる。
この経験でとても印象に残ったのは、年齢に関係なくワークショップができるものであるということ。ただし利用される言語は、普遍性があり平たい話の内容でなければならないということである。この展示会は人によっては専門的に扱われるかもしれないが、この作図の著者である私本人が現場でのトークショーを担当していてそのように思った。ガウディの世界は、複雑怪奇と考えている人が多いようだが実際は、これほど人間らいしい作品はないと思えるようになってきたのも最近のことである。

ガウディ自らの言葉に「奇異を求めてはならない」と言うのがある。その裏を返すと「自然体の姿勢であるべき」でありそのように作品を見ることでどれもがスムーズに自分の中に入り込むようになっていることに気がつく。
例えば、私が初めて見た時に強烈なカルチャーショックを受けて建築家になる夢を諦めようと思ったあのサグラダ・ファミリア教会誕生の門のファサード。あまりにも強烈な彫刻群と不思議な形の鐘楼。どれをとっても47年前の私には芸術と彫刻としてだけのインパクトでしかなく、これが建築家の世界なら私には到底、「無理な世界」であると思ってしまい愕然としていた。それで建築家としての夢を捨てようとさえ思わされた作品であった。
ところが年月をかけて一つずつ測って、作図し、ガウディの日誌や原書を読み解いていくうちに「その巨大な氷山」が次第に融けるのを実感し観察してきた。しかもそれはガウディ・コードであるとさえ思えるようになってきた。
つまり初めて見るものというのは、全く未知であり無知である。だからそれは巨大な氷山とさえ思えてしまう。それを溶かすにはとんでもない年月がかかってしまうだろう。そのための時間を想像するだけでも大変なことになってしまう。
しかし現実はどうだろう。その氷山さえも自然の力であり、ただし時間のタームが人間社会とは違うのである。歴史上でもわかるが人間社会のサイクルというのは地球全体または宇宙全体の時間からすると一瞬にしか過ぎない。とてもつまらない時間の中で人々がギクシャクしていることが理解できるようになる。

私の実測・作図・研究に費やしてきた時間がもう半世紀にもなろうとしている。
そんな時間の中で、私は何を得てきたのだろうかと振り返る。ガウディの描くことがなかった作図、そして自分という人間性の変容がとても面白く思えるようになってきたのである。それは日本にいた時の自分からすれば別世界、夢の世界とも言える経験をさせてもらった。自分一人でこのような経験をしてきたのではなく、家族・友人達との繋がりと理解による支援でそのような経験ができたのであると思っている。
おそらくどの世に居ても自分の「思いや感性は唯一」だろう。とすればその気持ちがどの世界にも通用する普遍性をおびているということであり、そのことさえしっかりと自覚していればさらなる未来が開けるし科学は発展し続けると思えるようなってきた。

つまり物事への理解の仕方に変化を見出せるようになってきた自分がいることに気がつき始めている。
     
田中裕也氏プロフィール
 
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