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建築家トップ > バルセロナ便り > 第310回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

建築許可申請図面と実物の違い

カサバトリョの既存の建物は、1877年に作られたルイス・サラ・サンチェス(Luis Sala Sánchez)の5階建であった。拡張地区の典型的な矩形の建物であった。その建物を購入したホセ・バトリョが、1901年に新築のための解体申請をする。 ところが1904年5月にはガウディのサイン入りの増改築申請図が役所に提出されている。
この時期のガウディはマジョルカ大聖堂の修復計画をしていた。このことからガウディによる民間建築の修復計画の一例とバセゴダ教授は示唆している。実際には、解体するよりは時間と経費の面からも容易であり、しかも構造的にレンガによる耐久性を信頼して既設の再生利用とする増改築の方が合理的であったことは推察ができる。同じ地区の35番カサ・レオ・モレラ(Casa Lleo Morera、1905年)から、37番、39番、41番のCasa Amatller (カサ・アマジェール、1900年)にしてもみな同じような増改築計画であった。しかも上部を建て増し、トリビューンもバルコニーも歩道に1m以上は出ている。つまり似たような事例が同じような時期に起きていたということも一要因となっていたことが伺われる。

基本的にはレンガ造の躯体であることはバルセロナの2000年以上の歴史が証明しているし耐久性も同じである。しかも拡張地区の建物はすべて隣同士が境界線に対して構造壁を作ることで、さらに頑丈になっている。

ガウディによる建築許可申請の作図と実際に実施された建物のファサードを比較してみる。すると姿形に大きな違いを見せている。1900年のグエル公園の許可申請図は輪郭だけでその内部はどのようにでもなるということを示唆しているように思えるが、実際はどうなのか。
いずれにしろ、カサ・バトリョの次に計画されたカサ・ミラでも、申請図と施工された建物では大きく異なっている。敷地境界線から1メートル以上も歩道に飛び出して設置された柱が現在でも見ることができる。当時はこの柱のために役所から係員がやってきて、違法として撤去の指示を工事現場の係りの人に通達している。ところが、さらに高さ制限や容積制限もあったにもかかわらず施工して現在に至っている。

ガウディの施工の進め方は模型中心であったことはホセ・バイヨとの会話からでも見られる。しかも彼はカサ・バトリョの作図を見たことがないというのである。
実測をしていて内部の動線、間仕切りなど非線形のディテールが多いことに気がつく。しかも天井や家具に至るまでその曲面ラインも調和している。
器や形を作れる職人なら技術者達との話し合いによって模型だけでも進められることをガウディは実践した。総合的な判断と指導をするには、その方がより正確な判断となることを確信してのことだろう。

スペインでの模型は基本的には石膏がベースである。
サグラダ・ファミリア教会に私が出入りしていた1980年の頃は、まだ石膏模型で原寸大まで作っていた。 それを想い出すと時間など気にしてはいられない作業だと思った。

現場で原寸大模型まで作り上げ、それで施工現場で設置して最後の調整を計るところまでの作業を繰り返すのだから、まるで彫刻のモニュメントを作る作業風景にも見える。

その中で非線形のトリビューンで正面ファサードを特徴付けたガウディの増改築の中における意匠計画はどんな意味を持たせたのだろうか。
     
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