part2 手間ヒマ編
施主の手間ヒマはどっちがかかる?
スケジュールはどれくらいみておけばいいのか
■工法によって本体の工事期間が異なってくる
計画から入居までの期間、それにともなう施主の手間ヒマは建築家に依頼する場合と、住宅メーカーや工務店に依頼するときでは、どう違うのでしょうか。
まずは、本体の工事期間からチェックしておきましょう。これは、どんな工法で建てるのかにもよってきます。一戸建ての工法は主に3つの工法があり、詳細はpart5で触れますが、ここでは、工法による期間の違いを図表5に整理しておきました。
一般的な木造軸組工法の場合には、3か月から5か月程度で、プレハブ工法や2×4工法は若干短くなります。2×4工法だと2か月から4か月程度で、プレハブ工法もユニット工法以外はほぼ同様です。部屋単位まで工場で生産できるユニット工法に関しては、1か月強で完成するものもあります。
建築家に依頼するときには、軸組工法が中心で、鉄骨、鉄筋コンクリート造りのケースもありますが、中心は木造軸組工法による一戸建てといっていいでしょう。中小の工務店の場合もほとんど同じです。これに対して、住宅メーカーでは、一部に木造軸組工法のメーカーもあるものの、多くは2×4工法やプレハブ工法です。したがって、工期だけをみると大手メーカーに依頼するほうが短くなることが多いといえるでしょう。
図表5 工法別の工期の目安
工法 |
工期の目安 |
木造軸組工法 |
約90日〜150日 |
2×4工法 |
約80日〜120日 |
プレハブ工法 |
鉄骨 |
ユニット工法 |
約30日〜40日 |
その他 |
約80日〜120日 |
木質 |
ユニット工法 |
約40日 |
その他 |
約90日〜120日 |
コンクリート系 |
約90日〜120日 |
■計画から入居までの期間は1年程度を見込んでおく
問題は、着工までの相談期間がどれくらいかかるのかという点になってきます。これがケースによって極端に違ってきます。住宅メーカーや工務店に依頼するケースでみると、一般的には3か月から4か月程度とするところが多いようです。最初に相談してから、基本設計、実施設計を経て、契約に至るまで数回程度の打合せですませることが多いようです。
それと工事期間を組み合わせるとどうなるのでしょうか。
標準的なスケジュールを図表6に整理しておきました。当初の計画から相談、打合せを経て、着工、竣工・引渡しまでの期間は、最低でも10か月程度をみておく必要があります。この例では、本体の工事期間をプレハブ工法や2×4工法を想定して4か月としていますが、木造軸組工法だと5か月程度かかることもあります。また、現実には、各種の打合せで手間取ったり、天候や資材、業者の手配の遅延などによって工事が遅れることもありますから、1年程度はかかるものと考えておくのが無難かもしれません。
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